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あと少しで外に出られる。歩き出そうとした、その時…。
「颯?」
突然後ろから声が聞こえた。驚きながらもゆっくり後ろを見た。この名前の呼び方、声…彼以外にいるはずがない。
『紅捺(クオ)…。』
「颯、どこ行くの?」
『ん?眠れないから、ちょっと夜風に当たろうかと思って。』
後ろに居たのは谷山 紅捺(タニヤマ クオ)。一応私専属の執事にしてお手伝いさんを統べる人。唯一私を呼び捨てにするぐらい仲…とは言っても、2人で居るときだけ。
紅「ならベランダに出れば済むだろ。一々外に出なくても。」
紅捺は私に疑いの目を向ける。変に鋭いんだから。
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