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「じゃ、時間ももったいないし早速要君の部屋で勉強しようか。」
(うわっ。きもマジメ!)
「あらあら、高柳先生は真面目なのね!
要しっかり教わりなさいよ。」
ほほほと口元に手をやる母。最後のセリフは目が笑って無かった。
(勉強やらなきゃ…殺られる!!!)
高柳を部屋に案内する足取りが重い。
「どうぞ。」
ドアを開けて先に高柳先生を通した。
「失礼するよ。………へぇ~。
結構広い部屋だね。」
「はい。一人っ子ですから…。壁をとっちゃったんで二部屋分のスペースあります。12畳位ですかね。」
高柳は部屋の中央に置いてあるソファーにドカリと座ると
「そう。勉強には関係無いけどね。」
と言ってメガネを外し、髪を掻き上げた。
(…………意外とと男前だったりする?
でも、さっきと雰囲気が違う…ような……?)
「それ見せて?」
テーブルにメガネを置きながら学習机の上の教科書とノートを指差した。
「あっ、はい。」
我に返って高柳に教科書を手渡す。
パラパラと教科書を繰っていたと思ったら、何やら鞄から赤ペンを取り出して印をつけていった。
「要、次。」
「…へ?」
「チッ。他の教科書も全部出せって。
サッサとしろよ、お坊ちゃん。」
「お坊っ?? 」
(何この人っ!!! 二重人格?)
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