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言葉に詰まり、口をパクパクさせている要を見て高柳は
「金魚みてぇだな、お前。
それより、マークしたとこ、暗記しろ。後でテストするからな。
あ―そうだ。俺のこと親に言いつけたら先生、ブチ切れちゃうよ?」
ジリジリ後退してドアに手をかけた瞬間、高柳先生から嬉しいお知らせがあった。
(この人、ブチ切れちゃう人なんだ…。怖い。)
暴力とはなるべく関わらないように生きてきた要は自分の不幸を呪った。
こんな危ない人を家庭教師に選んだ母が憎い。
涙目になりながらコクっと頷くと高柳はニヤリと笑った。
「こっち来いよ。」
断固拒否したい!
だけど言う事訊かないと…。
要は気力を振り絞って恐る恐る近寄った。
「……っ゛!!!」
側まで来た時、グイッと腕を引っ張られて高柳に覆い被さるように落ちた。
端から見れば要が高柳を襲ってるみたいだ。
慌てて起き上がろともがいてズルズル足から床に落ちる。
「要君は随分と積極的だね。
やる気満々じゃね?」
「ふ…へ?」
ズルズル下がって、落ち着いた所は高柳の膝の間。
床に腰を落としている為に目の前にちょうど高柳の股間が………
見上げると、高柳はニタニタ笑ってる。
要は高柳の言葉が理解出来なくて眉を寄せる。
ジーーーッ
(…ん?)
高柳がジーンズのファスナーを下げる音に飛び上がった。
「ひっ! ゃ…違っ! 痛っい!!」
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