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「お引き受けします。要君は真面目で集中力もありますからね。こちらもこれから教えがいがありますよ。」 「まぁ! よかったわね要。高柳先生はなかなか生徒さんをとらなくて有名なのよ~。お母さんも先生のお家まで行って直談判した甲斐があったわぁ!」 子供のようにはしゃぐ母親のびっくり発言に要は目を見開く。 (いやぁ~っ! なんて事してるのっ!お母さんがそこまで気に入ってるんじゃ断れっこ無いじゃない!) 要は密かに高柳が帰った後、母に断って貰おうと思っていた。 「では高柳先生、約束通り後一時間お願いしますね。おほほ。」 要は母が出て行ったドアを呆然と見つめた。 「…おい、残念だったな。」 「な、な、ななな…!!!???」 考えていた事を見透かされていたみたいでドキッとした。 「お前のちっこい脳みそで思いつく事なんてお見通しなんだよ。 ば~か! 家庭教は基本週二、試験前は毎日だから。 俺の授業は必ず予習復習しとけ。 学校のテストで平均点割ったらマジでシバくからな。 それより要、肩揉め、肩! おい!要~、へ・ん・じ・は?」 「………………はい。」 (誰か…………助けて……) .
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