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月明かりが眩しい十五夜の日
十六夜 カナギ(Kanagi Izayoi)は主人公らしくない死にかけ方をしていた。
「は・・・腹減った・・・」
この最近、野宿続きのあげく食料は尽きた。
深い森に足を踏み入れたのは間違えだったと後悔をしている。
「星ぃー・・・俺はもうダメそうだ・・・おまえだけは生きてくれ」
そうカナギが言うと、小柄の可愛らしい少女、水面 星(Akari Minamo)が呆れたように息をついた。
「何言ってんのよ、二日食事してないだけで死ぬわけないでしょ?」
そう言いながら、星は辺りを見回した。
そして、何かを思い付いたように、言う。
「ほら、辺りを見なさいよ。ご飯がたくさん沸いてるわよ。」
星は不気味な笑いを浮かべ、杖を構えて何やら唱えはじめた。
星に促され見た先には六匹の巨大な鳥のような魔物がいた。
「星、ごめん。俺は腹減って動けない・・・。任せるわ。」
その言葉を聞いて星の詠唱に力がこもる。
そして、あたり一面に大きな爆発が起きた。
「いっちょ、上がりぃ」
目を輝かし、カナギは星を見るが、星はまたもや不気味に笑う。
そして言った。
-働かざる者食うべからず-
カナギはショックを受け、そのまま気絶した。
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