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「ぐふ……っ」
そんな呻き声を上げる孝志を空気の如く無視し、僕は教室へと辿り着いた。
「うぅ……何で私のリョータさんは違うクラスなのぉ……」
なんか涙目で見てくるが、そんな事言われても困る。
どうしようもできない問題ってのはあるもんさ。
まぁ、僕は違うクラスで心底良かったと思ってるんだけども。
「さあ……?運なんだし仕方ないだろ。離してくれよ」
腕にしがみつく由緒。僕に浴びせられるチクチクと痛い目線。
……何とかしてください神様。
「相変わらず……朝からイチャイチャと……いい加減にしなさいよ」
またまた視界の外から聞き慣れた声がした。
「菜月……どう見ても一方的に見えない?」
そんな言葉も虚しく、彼女はまるで怒ったような目付きで僕を睨んでいた。
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