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「あ」
そんな短い言葉しか出ないくらい、お決まりのような人物がそこに立っていた。
「あ~っ、リョータさんを引きずって良いのは私だけです~」
何て権限ですかそれ?
孝志はなんか気難しそうな顔をしてる。女子が苦手なんだったなコイツ。
「あのな、体育だからいつまでもくっついてたら遅れ――うわっ!」
急に孝志の手の力が抜けた。
つまり、構図的には僕の上に由緒が覆いかぶさるような形になっていて……
「亮ちゃん……がんばれ」
そう言って孝志は去りやがりました。
「うっ、裏切り者ぉぉ!」
「うふふっ、このまま廊下プレイってのもどうですか~?」
吐息が首に掛かる。
とにかくじたばたしてみるものの、下にいる僕は相手が女の子であろうと不利な訳でして。
……周りの目線が……怖いです。
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