プロローグ

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  眠気の辛い午前7時。 まだ開ききらない瞼を擦りながら、冷蔵庫にある冷え切ったお茶を飲んで目を覚ます。 僕は向坂亮太(さきさか りょうた)。安っぽいボロアパートで一人暮らしをする高校二年生。 実は……ある悩みがあります。 ――ピーンポーン 朝、定番のように鳴るチャイム。 まだ着替えどころか歯磨きさえしてない寝起きすぐの時間に、必ずこのチャイムは鳴る。 「…………。さて、歯を磨きに行くか」 そして、必ず一回目は無視する。これは定番というか、決めた事だ。 ――ピーンポーン 第二のチャイム。 気にせず洗面所で歯ブラシを手に取る。 とりあえず、これもシカトしとく。 そろそろ第三のチャイムが来るかな……? そう思った時だった。
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