プロローグ

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  「えーと、110?119?警察ってどっち?」 布団に置いてあった携帯を手にとり、震える手で番号をゆっくりと押す。 「110ですよ~」 そしてこの反応。 「お前は犯罪者だ!住居不法侵入は立派な犯罪なんだぞ!いくらなんでもそれくらい知ってるよな!?」 「愛があったら良いんですよ!そして私以外の電話は許しませんっ!」 ねーよ!! と、心で叫びながら、訳のわからん理由で携帯を取りにくる少女から必死に逃げる。 もう……いいや。 「分かった分かった!電話しないからこっち来ないで!」 「そんなに私と抱き合うのが恥ずかしいの?もう、リョータさんったらぁ」 全くといっていいほど会話の歯車が噛み合ってないのは気のせいかな? どういう成り行きか、目の前の女の子は頬を赤らめてうじうじと指を動かしている。 ……そんな彼女の名前は、立花由緒(たちばな ゆい)。 隣の部屋に住んでて、何故か僕に付き纏う迷惑な女の子。もんの凄く迷惑な女の子。 もの凄く大事な事なので心を込めて二回言いました。
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