プロローグ

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    「はぁ……日に日に酷くなっていくなぁ……」 まずは大きくため息。 そして愚痴を呟きながら、せっせと着替えを済ます。 それにしても……狭い。 「ま~だ~で~す~か~?」 「まだ!開けるなよ!?開けるなよ!?」 此処は何処かと言うと…… 古びれたアパートの一室。お金を払って借りている僕の部屋 ……のトイレ。 おかしくない? 「出来ないならいくらでも手伝いますよ!」 そして、扉越しに聞こえる由緒の声。 ……さっきから何かやらかそうと企んでるのは丸分かりだ。 「あーもう着替え終わったから、あとちょっと待ってて!」 実は今脱いだところなんです。 狭いから……なかなか…… あぁーーっ!イライラするっ! 「えーそんなの待てませんっ!」 その声と同時に、カチャリと音を立てる扉。 …………鍵閉めてたよな?何でこんなあっさり開いてんの? 僕のプライバシーってどうなってんの? そして…………まだ下着一枚なんだけど、どうしたらいいんだろう。
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