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W-1- まぶしい
お父さんから、驚きの事実を聞かされ、いつの間にか・・・車は目的地に着いていた様です。
「さ、この扉の向こうにいらっしゃいます。あぁ、固くならなくても大丈夫ですよ?気を楽にリラックスですよ」
・・・と、申されましても!!初対面ですよ!?テレビでも、そのお姿は拝見できない雲の上の人。
無理ですっっ!!リラックスなんて、大それた事できませんっ!!
―――こんこん
――――かちゃ
「奥様、お連れいたしました」
浩平さんに通され、部屋に入るとスラッとした綺麗な女性が立っていました。
え・・・??お父さんが女装していますっ!!
「やっと来たか。遅かったな」
「申し訳ありません奥様。お連れするのに、1名駄々をこねた者がおりまして説得していました」
「ふむ。そうか、やはりお前に頼んで正解だったな」
にやりとする姿は、何度も見た事がある表情です。やはり、お父さんと同じです。
「お母様、ご無沙汰しております」
「おぉ、香織君。久しぶりだな!いつもありがとう」
「うふふ。喜んでいただけて私も嬉しいです」
「今後もよろしく頼む」
「はい!勿論です!」
え!?お、お母さん!?・・・嘘です。あんなはつらつとしたお母さん初めて見ました。
「ん?どうした?」
「お、父さん」
「ん?おぉ!桜!!桜ではないか!!」
「うぇっ!?」
「生な桜だな~!おぉ、ぷにぷにだぁ~~!どれ、ばばと一緒に住まないか!勿論、香織君も一緒だ!」
なんだか、想像していた人と全く別人です。お父さんとも姿は似てますけれど。性格が違います。
「・・・くそばばぁ」
「む!何がくそ婆だ!この愚息がっ!!お前は、呼んでない!桜と香織君を置いてさっさと出てけ!」
「寝言は寝てから言いやがれ!それに、俺の可愛い香織と桜は、置いていかねぇっ!」
「くぬぅ!わがまま言うんじゃない!お前が、お前がっ!!!」
え??どんな展開ですかっ!?なんか口喧嘩と発展してますがっ!!
しかも、なんだか雲行きが怪しいですけど・・・。
「桜と香織君を独り占めするから、私に癒しが足りないんだぞっ!!少しくらい良いじゃないか!!」
どうしましょう。言動がまるでお父さんです。
なんだか、涙まで流してます。
こんな展開、予想と全然違いますっ!!!!
本当に、私、どうなってしまうのでしょう????
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