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「んの、くそばばぁ!さっさと離しやがれ!!」
お父さん、助かりました。もう少しで、魂が抜ける所でした。
「香織さん、こんな奴が夫でいいのか?」
「あら。うふふ」
「香織ちゃん!?否定して、ひてい!!」
「奥様、そろそろ本題に入りませんと…」
「おぉ!そうだったな。桜、そちらへ座りなさい」
「は、はい」
あ、お父さんと同じ表情です。な、何を言われるのでしょうか?
ちゃんと、して来たのでお父さん達が悪く言われるとは、考えられませんが…。
「ん?はは、桜。そんな不安がる事では、ないぞ?まぁ、突然連れて来て悪かったな」
「あ、い、いえ!そんな事ありません」
「そうか、そうか。聞いていた通りの娘だな。香織さんが育てた訳だな」
「俺も育てましたけど?」
「ふん。お前は溺愛していただけだろう。全部、香織さんから聞いているんだ。自慢にもならんぞ」
「奥様、話が逸れてます」
「おぉ!すまん、すまん。~あ、何から話そうか…」
「自己紹介なさったら、いかがですか?」
「ん、そうだな!まだ、だったもんな!私は、お前の父を産み育てた母・藤本麻紀子だ!よろしくな」
「は、はい!私は、藤本桜です。よろしくお願いします」
「あはは。敬語は癖か?」
「え?は、はい。小さい頃から気づいたら、敬語でした」
「ふふふ。真太郎…桜の爺さんも敬語が癖なんだ。ソックリだな!」
「そうなのですか?」
「あぁ!今日は、残念ながら仕事の都合が取れなくてな、泣いておった!あははは」
大らかな女性(ひと)です。
なるほど、私はお爺さんに似たのでしょうか?でも、一度も会った事がない気がしますが…。
口調も、遺伝ってするのでしょうか?
「それで、今日、桜を呼んだ説明をしたいのだが、あらかじめ聞いているかと思うが、これから話す事は口約束だ。特に強性するつもりもないんだ。ただ、もし桜さえよければ進めたい話でもある」
どうしましょう。凄く、凄く緊張します。何を言われるのでしょうか??
とても、不安です。
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