W-1- まぶしい

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「高槻から聞いてると思うが。私の友人で、藤崎志津子って奴がいるんだ。んで、昔っから将来、家族になったら面白いな!と話していたんだ。だが、生まれた子供はお互いに男児だったんだ。ま、それでも構わなかったんだがな。友人として親から子へ受け継がれていくのも、楽しいんじゃないかって話してたんだ。だが、お互いに欲が出てしまってな。だが、友人の孫は男児だったと連絡を受けてな。こりゃ、孫同士くっつけよう!と話になったんだ。それでな、良い年齢にお互いなったから、この機会に会わせて見ようと結論至った。勿論、お互いに断って貰っても、私たちの間に障害となったりしないから安心しなさい。どうかな、一度、会ってみないか?」  え、どうしましょう。マシンガントークに圧巻されて、また思考回路が止まりそうですが・・・  私は、社会の新米なので、恋愛は考えられないのですが。それを言っても大丈夫でしょうか? 「あ、あの」 「ん?なんだ。言ってみなさい」 「はい。私はつい先ほど、FAZISAKIの入社式に参加して、やるべき事が多くあります。両立するのが、苦手で。恋愛どころではないのです。こんな心境のまま、お会いするのは心苦しいのです」 「…あはは。そんな事を気にしていたのか。聞いていた通り、桜は心優しい女性に育ったな。ま、形式は見合いだが、相手もそれは納得し、その上で桜に会いたいと言っている。それでも、遠慮したいって事なら会わなくても大丈夫だ。どうする?」  あ、私の現状は伝えてあるんですね。そうですね…、どうしましょう。  なんだか、会った方がいい様な気がします。 「…私、その方にお会いします」 「桜!?いいのか!?」 「はい、お話を伺って自分の意志で決めました。私も、お会いしたいです」  これも、縁と言う事ですもんね。色々な人と会う事は、良い事ですし。  どんな人か、とても緊張しますが。今後の事は、会ったら考えればいい事ですし。
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