93人が本棚に入れています
本棚に追加
「よし、じゃ会いに行こうか!」
「は?こっちから会いに行くのか?」
「おう!桜の結果次第だったからな!」
「…ばばぁの癖に考えたじゃねぇか」
「ぬぅ!?それでは、私がいつも考えてない様な言い方じゃないか!」
「はぁ?なに、考えて行動してますってか?んな人なら周りは苦労しねぇよ」
「お前は…っ少しは、桜や香織さんを見習え!」
「それは、こっちのセリフだ!」
「まぁまぁ、お二人とも。落ち着いて下さい。お二人は似たり寄ったりですよ」
「「なんだと!?こいつと一緒にすんなっ!!」」
「はいはい。そうですね~。はい、行きますよ~」
「「高槻(浩平)っ!!」」
お父さんと、お婆様って本当にそっくりで驚きです。
言いあいは、とても険悪っぽいのに、和むのが不思議です。きっと、本人は本気なのでしょうね。
そして、浩平さんが軽くスルーしてる!!素敵です!!
「うふふ。お婆様とお父さん、あぁ見えて仲良しさんなのよ?」
「はい。見ていて分かりました」
天涯孤独でなくて、本当によかった。お父さんにも帰る場所があったんですね。隠された事は、少し寂しいですが…
きっと、何か考えがあっての事でしょうし。
お父さんに家族がいない。と聞いた時は、私が側にいなくちゃって考えましたけど。
「桜!こちらに来なさい」
「は、はい!」
お婆様に呼ばれて小走りで向かうと、一つの大きな観音扉が目に入りました。
うわぁ、凄い豪華な扉です!!
「この扉の向こうに、桜に会わせたい奴らがいる。心の準備は、どうだ?」
「だ、大丈夫です」
「よし!じゃ、開けるぞ!!」
――がちゃ
「待たせたな!」
お婆様の肩越しに、髪の毛が陽の光に反射して、キラキラとしている男の子が2人…。ん?男の子??
最初のコメントを投稿しよう!