~歌声~

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翌週。 とうとうやって来た合格通知。 封はまだ開けてない。 望と一緒に開けるつもりだ。 「…じゃあ…開けるよ…?」 「…うん…。」 自分で開けるのが怖いので、開封は望に任せた。 「開けまーす!」 私はギュッと目を瞑った。 “合格…合格…合格!” 「…彩…。」 「な、何?また心なしに一文字()の字が付いてた?」 「…自分で確かめなさいよ。私、多分視力落ちたわ。」 最悪だ。 望の声色はかなりの最悪な事態を予想させた。 瞑っていた目からは涙が流れ落ちて行く。 ずるをしても、私は…私の歌は…。 「…彩?…ちょっと!泣く前に見なさいよ!」 「やだ!見たくない!」 「信じられないのは分かるけど、ちゃんと見なさい!」 「見る必要ないもの!予想していた結果だし!」 「…ホントに?」 「ホントよ!」 「…彩って自意識過剰だったのね?」 「…は?」 瞼を開けると、目の前には通知書を私に突きつけた状態の望がいた。 「よく読みなさい。」 「…合格…合格!?《不》の字がない!」 「視力悪くなって見えなくなったのかと思ったわよ!」 「意地悪!」 「ふふっ!おめでとう!」 悪魔な親友はそう言いながら笑った。 私もいつの間にか泣きながら笑っていた。
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