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「えっ…。待って、今開ける。」
そう言って君はすぐに出てきた。
「どうしたの?こんな時間に。」
左腕の時計に目を見やる。
あと少しで日付が変わろうかという時間だった。
「おーい、聞いてる?」
何の気なしに聞いてくる君に言った。
「…行くんだろ。」
「え?」
訳が分からそうな表情をした君に続けて言葉をぶつける。
「遠くに。僕の知らない所に…。」
そう僕が言うと、少し驚いた顔をした君は段々表情が曇っていった。
「聞いちゃったんだ…。」
そして震えるように小さく頷いた。
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