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君を後ろに乗せて僕は駅へと漕ぎだした。
錆び付いた車輪は奇妙な音を立てていた。
さすがに二人分の重みがかかっているせいなのか…
時々、キィッ、キィッ…と悲鳴のような音を立てていた。
「そろそろ変えたら?この自転車。何か変な音もしてるし…。」
「ん、いいんだ。使いやすいしさ。」
なんて思いつきの言い訳を言ってみる。
二人の思い出が詰まった自転車…そんな簡単に変えられるわわけないだろ?
「それに結構気に入ってるし。」
「…そっか。」
そう言って君は微笑んだ。
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