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確かに、夏哉の妹、陽菜(ひな)は美華学園への入学を希望していた。それだけの学力もある。ただ経済力がそれを許さなかった。
陽菜の希望を叶えてはやりたいが……。
「渚叔母さん、そもそも、男の俺が管理人なんて良いんですか?」
「さぁ?」
「さぁ、ってどういうことですか!?」
「今晩、全寮会議があるから、そこでみんなに意見を聞くわ」
「えっ、それ、十中八九却下されますよね?」
「だから、なっくんは良い子にしてなきゃ駄目よ?」
笑顔で言う渚を前に固まる夏哉。すでに拒否権はなかった。
「なっくんが良い子にしてないと、ひーちゃん泣いちゃうよ?」
なんてことだ……。しかも、ちゃっかり親は誓約書にサインしてるし。
「わかりましたよ。陽菜をよろしくお願いします」
「流石なっくん、話がわかるわ! ごめんね、強引で。あ、でも、寮にはたくさん可愛い子いるからっ!」
ウィンクをする渚。
可愛い子が多いってことは、危険度が増すってことじゃないか。絶対負けない。
「で、管理人の仕事って何ですか?」
呆れながら夏哉は尋ねる。
大学生の傍ら管理人なんて務まるのだろうか。夏哉には謎だった。
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