エピソード:1

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「助かった…あ、あの少女…助けにいかなきゃ!」   走りだそうとすると、左の足が動かなくて、前のめりに倒れた。   「いてぇ…っ」   何が起こったのかと振り返ると、   「何処に行くんだい…?」 「うわぁぁあああああああっ」   俺の足にはあの巨漢のハムのように大きな手があった。   「逃げるなよ…ハァハァ…っ」   巨漢はニヤニヤと歪な笑みを浮かべて俺の足をはってくる。   「離せ!離せ!」   俺はもう一方の足で何度も男の手を蹴る。だが、巨漢は足を放すどころか、握る力を更に強めた。   「………ぁぁぁあっ!!!!!!」   鈍い音が地下室に響き渡った。   「これでもう逃げられないね…?さぁ…どうやって欲しい…?ハァハァ…っ」   巨漢は目を血走らせ、口からヨダレを垂らしながら俺の足を這いずった。   「ハァハァ…、まずは目を…ハァハァ…っ」   男はナイフを振りかざし、俺の眼球へ一直線におとした。 だが、   「あれ…動かない…ハァハァ…おかしいな…?」   ナイフは俺の眼前で止まっていた。ちょっとでも動こうものなら俺の目に突き刺さってしまうだろう。
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