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俺は入学式に風邪をひいて、最初のLHLを休んでしまった。
そのせいで、俺は好きでもない本を管理する図書委員にされていた。
「あー…サボろっかな…」
放課後の図書委員はいつも一人だから、勝手に鍵をしめて帰ろうかとも思った。だが、
ガタン
俺が鍵を持って外に出ようとすると、誰もいないと思っていた図書室内から物音が聞こえた。
「誰かいますか?」
だが、返事は聞こえない。俺は仕方なしに物音がした方に向かう。すると、本棚に隠れた窓際の小さな席に、髪を二つに結った少女が座って静かに本を読んでいた。
なんだ、人がいたのか…と、俺は仕方なく図書室のカウンターに戻った。
あれから何時間たったのか、気が付くと、辺りは真っ暗で、
「やばっ」
図書室を巡回すると、既に少女はいなくなっていた。
帰るんだったら、起こしてくれればいいのにとぶつくさ言いながら俺は帰った。
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