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それから、俺は昼の図書当番の時も彼女を探すようになった。あれだけ本が好きだったらいるはず。そう思っていたのに、少女は現れなかった。
次の日の昼休みも彼女を待って、当番でもないのに図書室に向かった。だが、そこには少女の姿はなかった。俺は仕方なく、放課後図書室に向かった。
ガチャガチャ
だが、扉は開かない。俺は、携帯を取り出して時間を確認する。まだ5時だ。図書室を閉めるには早すぎる。
だが、俺も含めて図書委員はやる気のない奴だらけなのだ。
多分、今日の当番の奴も人がいないから閉めてしまったのだろう。
俺はそう思って帰ろうとした時、
カタン
図書室の中から微かな音が聞こえた。
前までだったら気のせいだと思って無視しただろうが、俺は少女に出会ったのだ。
無口に黙々と本を読む少女。
もしかしたら今日の当番は、彼女に気づかずに鍵を閉めたのかもしれない。
俺は、そう思い、図書室のドアを叩いた。
「誰かいるのか?」
だが、返事はなかった。
暫く待ったが反応がなかったため、帰ろうとすると、再び
ガタンッ
二度目の音に、今度は気のせいじゃないだろうと、
「中にいるんだな?今開けてやるから!」
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