-A Shadow Memory-

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 霜塚巧は片手、コンビニのビニール袋を提げながら、夜道を淡々とした歩調で静かに歩んでいた。    帰宅途中。    深夜1時ちょっと前。いつも通り残業だった。 彼はいつもこの時間帯に帰宅していた。そしてそれが彼の1日の最後のスケジュール。  彼の家は駅からバスで近所まで:15分と徒歩:3分ほど、つまりおよそ20分足らずで駅までは行ける。しかしそこからが長い。    彼は家を出る時刻がまばらなので、乗車する電車はその時その時まちまちだった。  乗車時間は乗り換え2回分の時間も合わせると、2時間半。満員電車にずっと乗りっぱなしとなる。
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