はじり

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事務所に呼ばれるような事は・・・何て考えながら2階にある事務所への階段を上る。 事務所の扉の前に立ち一度深呼吸、まるで営業先のお偉さんに会うみたいだなんて思い笑えてくるあたりまだ気持ちに余裕アリ? もう一度深呼吸してから控え目に扉を数回ノックしてから扉越しに聞こえた言葉を聞いてからノブを回して扉を押し開ける。 「失礼します。城島ですが何かありましたか?」 中へと入り軽く会釈、何か用でもと室内を見れば店長、面接の時に会ったこのスーパーの経営者、社長の姿があり、これは確実に何かあったと考えを巡らせたが、もう一人の人物を見つけ悪い事ばかりの想像が一度停止する。 「城島くん、入口に何時までも立ってないて、中に入ってきてください。」 ニコニコと一度しか会った事のない社長が入室を促すのに慌て扉を閉めてはデスクの前に並ぶ様にしてたつ。 「二人に大切な話しが有って来て貰ったんだ、実はね・・・」 社長独断の演説の様な話しを聞く事、立ったまま1時弱。 「ここ半年の売り上げが、この支店が一番なんだ、だから是非今の店長に新しい店を任せたいと思ってね店長と相談した結果、君達のどちらかにこのスーパーの店長を任せようと思うだがどうだろう?」 どうだろうってあまりの想像していた事との違いにろくな返事が返せない俺とは違い、 「はっ、はい!是非遣らせて欲しいです。絶対に頑張ります。」 やる気満々です、と気合いを感じさせる隣の横顔を見詰めてしまう。 どちらが店長に相応しいかは2週間の働きを見て判断するからとの説明を聞き二人して事務所を後にする。階段を下りた所で、 「城島さん、俺は負けませんよ、絶対にこのチャンスを」 今日からライバルです。そんな言葉を残して持ち場へと戻って行く後ろ姿を俺は見送った。 「ライバルかぁ~」 参ったと呟き俺も持ち場へと戻って行く。
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