はじり

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「あと、城島さんにも此処の店長補佐をしてもらう事になっているのでよろしくお願いします」  自分の事の様に喜んでいれば店長からの言葉に今度は俺が唖然としてしまう。 「はぁ?俺がですか?」  俺よりもずっと長くこのスーパーで働いてる人が沢山いるのに俺ですかと思わず自分を指さしてしまう。  そうですと頷く店長、そして黙っていた社長が、 「城島くんならば店長補佐として申し分ないと店長が断言していたのでね、新米店長の補佐をよろしく頼むよ」 「城島さんこそ凄いじゃないですか、お互い店長補佐として店舗は違いますが頑張りましょうね」  さっきまでの絶望的な表情から一転して生き生きとした表情でそんな事を言われ、出来ればそんな店長補佐とかそんな名前の付いた役職なんて就きたくは無いのが正直な気持ちだ。 「そっ、そうだな…互いに頑張りましょう日比野さん」  傍から見れば和やかな雰囲気に見えるのか、良かったと笑みを浮かべる社長と店長だったが、ふと向けた視線の先に居る社長のお孫さんでこの店舗の新しい店長と視線が合い、にっこりとした笑みが向けられ、軽く頭を下げぎこちなく見えてしまうだろう笑みを返した。
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