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そこで目が覚めた。なぜか泣いていた。
時刻は午後5時。
「そろそろ行くか。」
ケンジはファミレスをあとにし、いつもの道に着いた。
そして今に至る。
ケンジはまず、ゆずの「いつか」を歌い始めた。
わずかではあるが、歩を止め、聞いてくれている人がいる。
そしてつぎは、ユミが大好きだった、19の「以心伝心」を歌った。
今日は声の調子が悪いみたいだった。ケンジはつぎの曲で終わることにした。
そして最後は、自分で作った曲、「ダスティンホフマン」。ユミにはまだ完成していないと言ったが、実はもう完成していた。
ケンジは思いを込めて、必死に歌った。
ケンジは気付いていないが、いつのまにかいっぱいになった観客の後ろのほうでユミが立っていた。
ケンジが歌い終わると、観客はみな大拍手だった。
「いい曲だ。」
「よくできている。」
と口々にみな感想をもらしていた。
ケンジはコンビニで晩飯を買って、家に帰ることにした。
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