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サバンナに寂しがりやのライオンがいた。ライオンはとぼとぼと吊橋を揺らしながら歩いていた。
ライオンはサバンナではみんなに嫌われ、一人ぼっちだった。
「はぁ・・・俺はなんでライオンに生まれたんだろ・・・シマウマやゾウなんかに生まれたかったよ・・・
─・・・ん?」
しょんぼりしているライオンは橋を向こうでそれを見付けた。
黄色く─
一輪だけ─
それは明るく─
そよ風にゆらされ─
そこにいた─
─それはライオンには地面から生まれた太陽にみえた。
「なんだろう?」
ライオンが近付いてみる。それはライオンが近付いてきてもそこから動かなかった。サバンナのみんなはライオンが近付くと逃げるのに、それは逃げないでいた。
それは─タンポポだった。
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