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「お前、この俺が怖くないのか?」
ライオンはタンポポに話しかける。タンポポは答えない。
「お前、逃げないで、ここにいてくれるのか?」
ライオンはなおもタンポポに話しかける。タンポポは答えない。
──その時、そよ風がふいた。タンポポはそれにつられてユラユラと揺れる。
ライオンにはそれが、自分の問掛けに『うん』と頷いた様に思えてならなかった。
「─この涙の理由を知ってるか?俺にはわからないんだ。でも、この涙で濡れた頬の温かさは、多分お前がくれたんだよ」
涙を流しながらライオンはタンポポに話しかけた。
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