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「着いて来ないで下さい!」
……また言いたくないこと言ってしまった…。後悔していると、
「アハハ!行く場所一緒なんだから仕方ないじゃん!君、ほんと面白いね!」
と、笑っていた。
……この人大丈夫?と私は、思った。
それから、「着いて来ないで!」「アハハ!」の繰り返しが、続いた。
さすがに疲れた私は、無視して行くことにした。すると、少年が話し掛けてきた。
「君、何年生?」
「2年生だけど、別に、何年でもいいでしょ!」
……また皮肉っぽく言ってしまった。しかし、少年は、気にする様子もなく、
「おぉ!同い年ね!僕今日から、この学園に転入することになった…クリスです!よろしく!アナタお名前は?」
ぺらぺらと、聞きもしないことを喋っていた。
「……マリア…吉川マリア」
私は、聞こえないぐらいの声で、ぼそっと言った。
「マリアチャン?いい名前ですねぇ~」
しかし、クリスには聞こえたようだった。
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