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澄んだ瞳と、確かな存在感。その鮮やかな色を想像したせいか、空がますます青く見える。
その名を、頭の中で何度も何度も呼んでみる。胸がざわつき、一瞬ずきんと頭痛が走った。
今、僕の感じている、この何ともいえない不思議な感覚はなんなのだろう?
「僕に、何か用ですか?」
「用、というか。私の知り合いもここに入院してるの。だから、ただの通りすがり」
「ふうん」
瑠璃が、再びこちらにレンズを向けた。デジカメとは違う、大きなレンズに青空が写り込む。
「君は? 名前何ていうの?」
「僕は、藍人」
「アイト?」
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