MINT BLUE

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いつでもいいなんて、一体瑠璃はどのくらい先まで僕を見ているんだろうか。 いつの間にか僕は、被写体として、長期契約をしてしまったようだった。 「ううん。写真なら大丈夫! いつでもいいもん。それより、その敬語ヤメよう?」 「え、いや、でも……」 「名前も、瑠璃って呼んでよ。なんだか他人みたいで寂しいじゃない」 他人みたい? いやいや、他人ですから。 当然だと言わんばかりに言われて、その脳天気な笑顔に呆れながら、僕は本当は少し嬉しかった。 「じゃあ瑠璃はさ、どうして写真家になろうと思ったワケ?」 この一週間、ずっと聞いてみたかった。 どうしてわざわざ、写真家になんて……。 十九才なら、一般的にはまだ学生の方が多いんじゃないだろうか。
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