56人が本棚に入れています
本棚に追加
いつでもいいなんて、一体瑠璃はどのくらい先まで僕を見ているんだろうか。
いつの間にか僕は、被写体として、長期契約をしてしまったようだった。
「ううん。写真なら大丈夫! いつでもいいもん。それより、その敬語ヤメよう?」
「え、いや、でも……」
「名前も、瑠璃って呼んでよ。なんだか他人みたいで寂しいじゃない」
他人みたい? いやいや、他人ですから。
当然だと言わんばかりに言われて、その脳天気な笑顔に呆れながら、僕は本当は少し嬉しかった。
「じゃあ瑠璃はさ、どうして写真家になろうと思ったワケ?」
この一週間、ずっと聞いてみたかった。
どうしてわざわざ、写真家になんて……。
十九才なら、一般的にはまだ学生の方が多いんじゃないだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!