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「ギター弾きよ、お前にお願いがある。私のお気に入りの人形をもらってやってはくれないか?」
王様はそう言って、桐の箱をギター弾きの前に置きました。
「なぜ、私ごときが?」
ギター弾きが王様に聞くと、王様は悲しそうな顔で答えました。
「この人形は淋しがり屋で、一人ぼっちだと泣いてしまうのだ。しかし、私はもうそばに置いてやることはできない」
理由を聞いたギター弾きは、ちっとも気味悪がらずに頷きました。
「わかりました、王様。ならば、私はこの人形を泣かさぬよう、ずっと一緒にいましょう」
こうして、ギター弾きは王様からお人形を譲りうけたのでした。
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