2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ギター弾き、お前にほうびをやろう」
宴が終わった後、王様は言いました。
「ならば、先程私と舞台にいたあのお人形を貰えないでしょうか? 私は、昼も夜もずっと一人で寂しいので、是非とも欲しいのです」
お人形は胸がどきんとしました。ギター弾きと一緒なら、また今日のように楽しく踊れる、そう思うと嬉しくてしかたありませんでした。
しかし、王様困った顔になりました。
「それは無理な願いだ。あの人形は私のお気に入りだ、残念ながらながらあげることはできない」
「そうですか」
ギター弾きはそれを聞くと、何も受け取らずに残念そうに去っていきました。
お人形は、そのギター弾きの背中をずっと見ているしかできませんでした。
最初のコメントを投稿しよう!