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教室に入るまでジークは手を離してくれなかった
ここまで恥ずかしい思いは落ちこぼれと判明した時からずっとだ
訂正、以来だの間違い
最近じゃ落ちこぼれ言われても「だから何?」と開き直るくらいは出来る
ベルさんにお辞儀だ
やっぱ挨拶はコミュニケーションの基本だと思う訳ですよ
そしてベルさんもお辞儀を返してくれた
和む
この人がいるだけで多分一日は乗り切れる
キム
「ちびっこい竜を連れての登校ご苦労トーマくん」
こいつがいるだけで一日は不機嫌になれる
トーマ
「なにも言うな」
キム
「大丈夫だ。何も言わない。代わりに俺の使い魔の自慢話を聞かせてやる。俺の使い魔のエルフはそりゃもう美人で器量良しで料理上手くて気立てがよくて………………」
担任のジザが入って来るまでキムは自慢話をしていた
ジザが入って来なかったら延々と話してそうだと思った
断言出来る
のろけ話しを聞きたくはない
このちび竜も人型とかになって実はすんごい美人の女の子だったりしないだろうか
しないな
ジザが話し始めていたが聞こえてない俺だった
ジーク
「…………トーマ、お前はいつまでほうけているんだ?」
トーマ
「ぇ………あれ、ホームルーム終わった?」
ジーク
「…………既に終わっている。みんな次の授業のために練武場に向かっている」
トーマ
「あ、そうだったんか。わかった急いで行くから先に行ってていいぞ」
ジーク
「…………わざわざ待っててやったんだ。さっさと支度しろ。」
そうジークは言い、教室入口のドアに寄り掛かった
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