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俺は失念していた
さっきジークはなんと言っていた?
『練武場に向かっている』
つまりは俺達もそこに行く訳だ
連想してみよう
練武場→実戦魔法の授業→模擬戦→使い魔と協力→使い魔、俺、共に無能→つまりは笑いの的
トーマ
「……実戦魔法の授業だけサボろうかな……」
ジーク
「…………馬鹿を言うな後でジザ教員に呼び出しをくらうぞ」
担任が俺の最も苦手な授業かよ………
ジーク
「…………それに武器も今回の授業で造るのだろう」
そうだ
魔法は13才から使えるようになるが魔力を帯びた自分だけの武器を精製出来るのは魔法の質が完全に安定した俺達の歳からだ
トーマ
「…こうなったら強い武器が現れるのを願うのみか……」
そうとしか言えない
俺、落ちこぼれ
使い魔、落ちこぼれ
武器、欠陥品
それはもう嫌だ
廊下を歩いて練武場に向かっているが女の子とすれ違う度に女の子の足が止まる
皆さん一様に頬を染めてジークに見惚れています
こういう時は親友という言葉は無効にして殴っても構わない気がしないでもない
それなのに女子生徒の視線を気にも留めずにさっさとジークは行ってしまう
若干頬が赤いのは照れているからだと俺は知っている
しかし皆さんは不機嫌にしてしまったのかと不安そうにしている
こいつは人との接し方がちょっと苦手なだけで案外普通(内面)なんだがな
トーマ
「ところで授業は何分から?」
ジーク
「…………55分」
トーマ
「今何分?」
ジーク
「…………53分24秒」
トーマ
「…………………練武場まであとどれくらい?」
ジーク
「…………2分程度か、今54分1秒」
トーマ
「………………………」
無言でダッシュじゃーーー!!!!
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