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トーマ
「嘆いていたってしょうがないか……」
これから2年は受ける授業だ
しかも担当は担任のジザ教員だしさ
クラスメイトは各自で武器の精製を始めている
そろそろ俺もやらなきゃならない
-と、そこでいきなり周りがざわめき始めたのに気付いた
……また俺の失敗するとこをからかうのかい?
キム
「な~にを黄昏れてんだよ! それより見ろよ、ジークのあの魔法陣の光量!」
キムが俺の肩に手を回して空いてる方の手で離れた場所を指差す
確かにそこにはジークがいて
異常な量の光が溢れていた
トーマ
「……才能の差はでかいよなー」
誰に言うでもなく呟いてしまった
言わないようにしていたんだけどな……
こんな事を言い出したら更に自分が惨めになるだけ
言い訳ばかりして心まで弱くなってしまう
だからなるべく弱音は吐かないようにしていたんだけどな
幸いにもキムにその呟きは聞こえなかったらしくさっさと野次馬の中に突撃していってしまった
ちらりと見えたジークの武器は-ランス
尖端から幅が広まり敵を穿つ騎士の槍だった
--あんなの……俺には出来ない
暗い感情が俺を包む
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