小隊長殿!偵察任務です

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先手を取ったのは、 アンバラックだった。 一気に間合いを詰めて 上段から斬りかかる しかし……。 「危ない、危ない。」 木刀が振り下ろされる前に エリクソンが走り出した。 アンバラックと逆方向に 「なに!?逃げるのか。」 「いや、君が引いたら 攻勢に移るけど?」 アンバラック伍長 逃げ回る相手に ことさら強い口調で 「それをみすみす 許すと思うかぁ!」 単なる手合わせと 思えない本気の突撃で 逃げるエリクソンを 追撃し始めた。 第四小隊の鎧は、 機動性と隠密性を 重点に置かれて 設計されている。 灰色を基調とした 市街地迷彩 薄い鋼の上に 厚手の布を巻いた鎧は、 それなりの防御力と 軽量化を実現している それに鍛えられた健脚と 怒りに任せた 特攻精神がプラスされれば 凄まじい威力を発揮する しかし当たれば骨をも 軽々砕く突撃だが 当たらなければ意味が無い。 エリクソンは、 長袖のシャツに鎧の上に 付ける厚手の布をそのまま シャツの上に着ただけだ。 いくら軽くても 鋼を使った鎧を着た者と 単に厚着なだけの者とでは 機動力の差は、埋め様が無い。 .
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