小隊長殿!偵察任務です

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今でこそ互いに 睨み合いの硬直状態だが お互い攻め込むには、 ここを通るのが 一番近いとあって 牽制し合うが故の空白地帯 危ういバランスで保たれる 綱渡りの均衡 帝国の動向を探り 不審な動きを察知する為に 第四小隊アサルト・ターキーは アルゴリズに向かっていた。 まばらに草が生えるだけの 荒れた大地に ゆっくりと歩を進める 人影が全部で十 最低限の食糧と 装備を備えた部隊が どんより曇り空の下 ある者は、つまらなそうに ある者は、何を考えてるのか よくわからずに とにかく砂ぼこりに 悪態をつきながら 歩いていた。 「…それでどう思う?」 「何がだ?」 アンバラック伍長が 隣を歩くグェンデル曹長に 話しかけた。 階級こそ グェンデルの方が上だが (下から伍長→軍曹→曹長) 軍属になったのは、 二人一緒の時期だ。 この小隊の中では、最も長く 所属する二人でもある 当然と言うのも おかしい気がするが お互い兵士としての実力を 認め合っている。
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