一時の安らぎ

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それから重衡の母の監視が厳しくなった。     母だけなら何とでも言えるが、 兄達まで重衡が屋敷を抜け出さないように見張り出した。       それでも重衡は監視の目をくぐり、 鞍馬とは反対の方へ馬を走らせ、 追いかけてくる家臣達を振り切って、 誰も来ないと見ると鞍馬に向かった。           何故鞍馬に行ってはいけないのか…       その時の重衡にはまだ分からなかった。    
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