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本を置いて、石から飛び降りた瑠璃は、少し寂しそうに笑っていた。
それは二人が出会ってから数年の月日が流れていたある日だった。
「私は鞍馬を出ます。
僧になるなど…
全て嘘です。
ここに居て、毎日経を唱えて高僧になって…
何の意味があるだろう…」
「瑠璃…」
「私の本当の名は“遮那王”…
ここを出て、父上や一門の仇を取りたい!」
“遮那王”
重衡はその名をどこかで聞いた記憶があるが…
どこで聞いたのか…
それが誰だったのか…
どうしても思い出せなかった。
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