守護隊

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「う…ん…」 顎を掴まれて下を向く事は許されないから、目を必死にそらしている。 恥ずかしすぎる…。 「そう…。で、何?抱いてほしいの?」 「なっ…違うよ!!」 思わずそらしていた目を合わせ、叫んでしまった。 お兄ちゃんは顎から手を離し、今度は僕の制服に手を掛ける。 「!?なにやって…!」 「別に今からでも昨日の埋め合わせをしてもかまわないんだよ?」 恐い…さっきまでの優しいお兄ちゃんはどこ? 僕は気付けばお兄ちゃんの手を振り払い、学校の鞄だけ持って家を飛び出していた。 「ったく、何やってんだか…!!」 ガシャン!! 作っただけ無駄になった朝食の皿を、机から落とす。 「自分の行為に吐き気がする…!!」 俺は…何がしたい…? その答えは、いくら考えても今はでそうになかった。
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