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悠季くんが世恭さんを薄く睨む。
「世恭、どうするつもり?この分じゃあ当分散りそうにないけど?」
確かに皆ざわついていて何処かに行きそうもない。
って、このままじゃ授業遅れちゃうじゃないか!!!
僕がまた泣き出しそうになっているのを尻目に、世恭さんは余裕げに言う。
「大丈夫だ悠季。ー…俺を誰だと思っている」
…誰なんですか…
次の瞬間、世恭さんが声を荒げる。
「お前ら静かにしろ!!」
ーしんー
一瞬にして静かになった。
世恭さんは続ける。
「今見た事は守護隊の任務として行った事だ。お前達が考えているようなやましい意味はない。」
ひそひそと、話す声の波紋が広まる。
「これからおかしな噂を流す者がいれば、そいつは学校には顔をだせなくなる事を保証しよう」
恐いー…
皆も顔が青ざめている…。
「分かった者は即刻散れ」
目が光って有無を言わせない…。
当然の事のように、あんなにいた人は消えた。
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