守護隊

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鍵がかかって開くはずのないドアから、一人の男が顔をだす。 一瞬無の間があったが、世恭さんが気がついたように教室の侵入者を睨む。 「誰だお前は。鍵をかけていたはずだ。この教室の鍵は俺が持っている。どうやって入った?」 クスリと男は笑う。 「最近の子供は偉そうだね…鍵は事情を説明したら教員の方がマスターキーを貸してくださったよ」 男の話を聞いて悠季くんが怪しむ。 「『マスターキー』…?学校のどの部屋でも開けられる鍵…どうして得体の知れないあなたに教員がそんなものを貸す…?」 悠季くんの問いにまた男が苦笑する。 「ホントに最近の子は…」 僕はといえば、驚いて身をひいていた。 なぜって?それはこの男がー… 「自分の弟を迎えに来たといえば貸してくれたさ」 男ー…いやお兄ちゃんは僕の方に近付き、抱き締める。 「帰りが遅いから心配になって迎えにきたんだ。」 お兄ちゃんは僕を抱き締めたまま、唇が耳に触れそうな距離で囁く。 「今朝はごめんね。…許してくれる?」 僕の体がビクリと震える。
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