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どうしても【それ】だけが思い出せない。ここに連れてこられる前に何かとんでもない出来事があったような気もしたし、特にたいしたこともなかったかのような気もする。‥いや、きっとたいしたことはあったに違いない。そうでなければ自分がこんなわけのわからぬ場所にいるわけがないのだから。ただ‥記憶のない今の克巳に答えを求めることは不可能だった。
克巳はしばらく目の前にいる渡辺彩を見つめる。ホントにかわいらしい顔をした彼女は克巳の目前でスヤスヤと寝ていた。ふと、さっきまで自分がこの女の子を襲っていた情景が脳裏をかすめた。
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