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その"モノ"の中での人間はもはや人間ではなかった。いや‥れっきとした人間なのだが、克巳にはそう思えなかった。
首輪をはめられて犬のように四つん這いになっている裸の女。鞭のような物でひっぱたかれ、土下座しているような恰好をしている女。男のペニスを強引にくわえさせられ、凄まじい形相で耐えている女。
そこに出てくる女の顔は、皆苦しみに耐え、怯えているようだった。
克巳は静かにページをめくり続ける。恐怖は全くなかった。しかし恐怖とは違う別の何かを感じていたのだ。"それ"は克巳を奮い起こすような不思議な力だった。
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