クリスマス!

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目的の物を持ってきて渡すと、あにゅーが驚いた顔を見せた。 「何よ、これ」 「えーと、なんだ……昔好きな奴に渡そうと思ってたんだが、いらん。やる」 「え……」 ……あ。 言った後に気付く。好きな奴に渡そうと思った他のなんか欲しくないかもな。ハッキリ言えば、いらない物をあにゅーに押し付けたのと同じだし……。 「……」 バッと俺の手のひらからプレゼントを奪い、あにゅーは駆け出した。 「あっ……あにゅー!?」 十メートルほど走って立ち止まり、振り返った。 「ばあっか。しょうがないけどもらってやるから!」 べーっと舌を出して叫んだ。 「!」 そしてあにゅーの姿は消えた。俺の頭と肩は雪で白くなっていた。 「……」 呆れながら息を漏らす。 まあ楽しいクリスマスだったな。 自分の吐息が白くなり消えていったのを見届けてから玄関を閉めた。  
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