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〈ピッピッピッピッ〉
遠くで何かの音が鳴り始めた
『あ~ぁ、せっかく約束守るって言ってくれたのに時間切れかぁ、続きしてあげられなくなっちゃった、ごめんね。』
〈ピピッピピッピピッ〉
もぅおしまい?
どうして?
この音は何?
〈ピピピッピピピッ〉
この電子音はだんだんピッチをあげているようだ
がさごそ…がさごそ…
『よっと』
急に体が軽くなる、彼女が私の上から降りたのだろう
『いい子にしてたらまた遊びに来るから、それじゃ~ね』
逃がすまいと手を伸ばすがその手は虚しく空を斬る
待って!彼方は誰なの!?
約束なんかどうでもいい逃がしてたまるか、彼女を追い掛けるため私が起き上がろうと…
《💥ゴチーン💥》
「んぎゃ」「ふぎゃ」
〈ピピピピピピピピ…〉
体を起こそうとしたとき何かにぶつかった
「お姉ちゃんいきなりヒドイよ~」
ぶつかったのは妹だったらしい、姫が半べそで頭を押さえている
〈ピピピピ…カチッ〉
私はめざまし時計を止めてから姫を抱き寄せ頭を撫でた
「ごめんね、起こしに来てくれたのにね、私が悪かったよ。よちよち…」
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