2791人が本棚に入れています
本棚に追加
僕と悠は走って裏山を目指した。そこに秘密基地があるのだ。
秘密基地といっても、たまたま見つけたボロ小屋で、誰もいなかったので、秘密基地にさせてもらった。
無論、まだ5歳。崩れたらなどという心配はしない。
悠は最初、不安気味だったが、慣れるのに時間はそこまでかからなかった。
僕は走ってる途中、悠に質問をした。
「なんで今日早く帰るの?」
その質問を聞いた悠は嬉しそうに、答えた。
「今日パパが帰って来るんだ!」
「ええっ!」
僕は驚いた。しばらく顔を見てないな…おじさんと、
「…じゃあ蟹だな…」
「え?今なんか言った?」
「い、いいや!何も。」
そんなこんなで、裏山の秘密基地に着いた。
裏山には誰もいなく、でも、住宅街に近く迷子になる心配が無い。
「えーっと…今日は洞窟冒険だ!」
「えー!?嫌だよ。危ないよ!」
僕の唐突なスケジュールに早くも反対を唱えた悠だった。
「じゃ、何したいんだ?」
「えーっとね…さら」
「嫌だ」
「え、僕…まだ言ってないよ!?」
おろおろと悠は困りだす。
…「さら」って何するつもりだったんだ?
最初のコメントを投稿しよう!