序章 東京大震災

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僕と悠は走って裏山を目指した。そこに秘密基地があるのだ。 秘密基地といっても、たまたま見つけたボロ小屋で、誰もいなかったので、秘密基地にさせてもらった。 無論、まだ5歳。崩れたらなどという心配はしない。 悠は最初、不安気味だったが、慣れるのに時間はそこまでかからなかった。 僕は走ってる途中、悠に質問をした。 「なんで今日早く帰るの?」 その質問を聞いた悠は嬉しそうに、答えた。 「今日パパが帰って来るんだ!」 「ええっ!」 僕は驚いた。しばらく顔を見てないな…おじさんと、 「…じゃあ蟹だな…」 「え?今なんか言った?」 「い、いいや!何も。」 そんなこんなで、裏山の秘密基地に着いた。 裏山には誰もいなく、でも、住宅街に近く迷子になる心配が無い。 「えーっと…今日は洞窟冒険だ!」 「えー!?嫌だよ。危ないよ!」 僕の唐突なスケジュールに早くも反対を唱えた悠だった。 「じゃ、何したいんだ?」 「えーっとね…さら」 「嫌だ」 「え、僕…まだ言ってないよ!?」 おろおろと悠は困りだす。 …「さら」って何するつもりだったんだ?
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