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「うっ…ハァ…ハァ…母ちゃーん!!父ちゃーん!!うう…ゆーうっ!!」
叫びながら全力で走った。横っ腹が痛いことなど気にしなかった。
次の角を曲がれば…次の角を曲がれば家に着く。
僕は次の角を曲がると、
…とんでもない光景が飛び込んできた。
「嘘…だろ…」
僕は立ち止まった。膝で立ってた。地面のコンクリートは少しひび割れている。
なんと悠の家が崩壊して、炎が荒々しく踊っていた。消防士が炎を消している。
俺は移動中の消防士さんに急いで尋ねた。
「消防士さん!悠は?悠は!?」
「危ないよ!早く避難しなさい!」
「悠は!?ねぇ悠は!?」
「この家の人の名前かい!? まだわからないから!早く避難しなさい!君、お父さんは?お母さんは?」
消防士さんは真剣な眼差しで僕に聞いた。
そうだ!父ちゃんと母ちゃんは!?
無惨に壊れた悠の家の向かいにある僕の住んでいるマンションを見た。
結構大きいマンションなのであちらこちらに火事が発生していた。
だけど、マンションの形状をしていたので壊れた訳じゃないと知って少しだけ安心した。
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