君は天使のような微笑みを

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「おい!!どこに行くんだ!!」 「すいません 機嫌悪いんで帰ります」 俺が教室を出ると 「あぁ…そうか…」 と言う声と 「ん??…機嫌…??」 と言う2つの声がした 俺はなりふり構わず走り出した 行き先は小学校 気は悪いけど別にそんな事どうでも良かった だたアイツの笑った顔が見たかった はにかんだ顔とか 素直じゃないけど素直な所とか 全部が愛おしくてたまらなかった 「はぁはぁ…ガキ――――!!!」 俺が小学校に着いてそう叫んだ瞬間 校舎の右端の窓が開いた 「うっせ――よ!!!!」 アイツだ 俺はそいつの顔を見ると 不意に笑いが零れた 「俺らってさ本当素直じゃないよな」 「お前だけだろ!!??」 「そうかもなっ」 お前がそう言うとアイツは驚いた顔をしていた 「お前さっ俺の顔…好みだろ??」 「うっせ!!」 つんけんした返事だったけど 本当にお前は素直だ 俺がふっと笑うと アイツは怒鳴ってきた 「なんだよ!!」 だって…お前その顔!! 「真っ赤だぞ」 俺が真剣な顔を見せると アイツは泣き出してしまった 「おい!!高い所って苦手か??」 「なんだよ!急に!」 「いいから!」 「別に苦手って程じゃ」 「じゃあ飛べ!!」 俺がそう言うと 勘に触ったのか はぁ~~って顔をした 「じゃあの意味が分かんねぇ!!」 「大丈夫!!俺が受け止めてやるから」 アイツは少しためらって 助走を付けて窓から飛んだ 落ちてくるアイツは まるで天使のようで 目を奪われた 「綺麗だな」 落ちて来たアイツに言うと笑って 「漸く分かったのかよ」って言われた
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