*~3月25日~*

6/6
前へ
/57ページ
次へ
  その瞬間、ソプラノSaxの音が体育館中に響いた。   『―――……ッ』   演奏中なのに   泣いちゃダメなのに   涙が込み上げてきた。     もうこの音は聞けないんだ。   もう4月には先輩は居ないんだ。   そう思ったら、悲しくなって、淋しくなって…涙で視界がぼやけた。 そして、先輩との沢山の思い出が、どん2⃣頭に浮かんできた。   付き合い始めた時、ちょっとしたすれ違いで全く話さなくなっちゃって、もぅ終わりなのかなって夜一人ですごく泣いた事。   2chのブログに勝手にうちら2人のコトが書かれて、違法なのにインターネットにばらまかれて、そのコトで警察沙汰にもなりかけちゃって、もぅ嫌だって精神的にも体もすごく不安定になりかけた事。   そして―…こないだの野呂の事。   その他にも、ほんとに沢山あった。 でも、先輩はいつもそばに居てくれたよね。 辛かった時、くじけそうになった時、なんでか先輩だけには絶対に分かっちゃうんだよねぇ…。 そーゆーちょっとした優しさが、一緒に居てとても心地よかったんだ。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加