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その瞬間、ソプラノSaxの音が体育館中に響いた。
『―――……ッ』
演奏中なのに
泣いちゃダメなのに
涙が込み上げてきた。
もうこの音は聞けないんだ。
もう4月には先輩は居ないんだ。
そう思ったら、悲しくなって、淋しくなって…涙で視界がぼやけた。
そして、先輩との沢山の思い出が、どん2⃣頭に浮かんできた。
付き合い始めた時、ちょっとしたすれ違いで全く話さなくなっちゃって、もぅ終わりなのかなって夜一人ですごく泣いた事。
2chのブログに勝手にうちら2人のコトが書かれて、違法なのにインターネットにばらまかれて、そのコトで警察沙汰にもなりかけちゃって、もぅ嫌だって精神的にも体もすごく不安定になりかけた事。
そして―…こないだの野呂の事。
その他にも、ほんとに沢山あった。
でも、先輩はいつもそばに居てくれたよね。
辛かった時、くじけそうになった時、なんでか先輩だけには絶対に分かっちゃうんだよねぇ…。
そーゆーちょっとした優しさが、一緒に居てとても心地よかったんだ。
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